THE ORIGINS OF THE PAGANBLOOD / SOULGRIND
 HOLYレーベル所属のフィンランドの男女Vo擁するブラック・メタル・バンドの'05年リリースの7th。変なシンセのメロディを奏でる、変態なシンフォ・ブラックなわけですが、今回はこれまでとちょっと違うように感じました。ちょっと変態度が低くで、ちょっとまっとうかなと。でも、速い曲はないし、ブラック声が吠えたかと思うと、おねいさんの声が入ってきたりするあたりは、これSOULGRINDそのもの。個性は充分に保っております。オープニングの"The Valley"が名曲レベル。おねいさんのしっかりとした歌いっぷりが素晴らしいです。オーケストレーションがバックに入っている"When Those Nights Have Circled Over""Flesh Marionette"…こんなのは初めての試みじゃない? ピアノがひたすら乱舞してしまう"Red River"はこれまでのSOULGRIND! とても変でいいです。
 なお、初回限定盤?はDVD付きです。素晴らしい。これまでのVideo Clipやライヴ映像が満載です。LULLACRYにいた時は、少なくとも巨乳のイメージでビジュアルを大切にしてきたおねいさんが、このバンドのライヴでは、体型にあった黒いTシャツ姿で暴れていて、なんか同じ女性とは思えないのが寂しい…。(純生)


FOREVER / MEMORY GARDEN
 スウェーデンのドゥーム・メタル・バンドの'95年リリースの4曲入りミニ・アルバム。後にCANDLEMASS, MERCYFUL FATEMike Weadがアルバムをプロデュースしていたという認識が強かったバンド。本作はバンドとFredrik Nordstromがプロデュースをしている。Voは伸びのある少し高い目の声色でしっかりと歌い上げる人。なかなか上手いのですが、お手本はやはりメサイア・マコーリンになってしまうか。楽曲はどれも5分弱と短い目ですが、CANDLEMASSに代表されるような北欧の様式美ドゥーム・メタルの基本に忠実。派手さはなくとも、じっくりと遅く重く聴かせてくれる。なので安心して楽しむことが出来るが、これといった曲は特になし。(純生)


IMRAMA / PRIMORDIAL
 アイルランドのヴァイキング・メタル・バンドの'95年リリースの1stが、'01年にHAMMERHEARTレーベルからリマスターさて、スリップケース付き、2曲ボーナス・トラック追加で再発されたものです。CACOPHONOUSレーベルからリリースされたオリジナル盤も聴いていますが、思い入れのあるバンド、しかもケルト色が一番強い1stということで買ってみました。気が付けば、2nd以降はバンド・ロゴは普通になっているものの、この1stのバンド・ロゴは「P」の文字がケルトの文字なのですよ。嬉しいな。当時もかなり興奮したけども、オープニングの"Fuil Arsa"のイントロがかっこいい! アコースティック・ギターを疾走し、そこからがつんと始まるのです。このバンドはENSLAVEDと同様にブラック・メタル色が強いヴァイキング・メタルで、しかもこのバンドはアイルランドのケルトっぽさを微かにですが感じさせてくれるのが特徴です。まあ曲の多くは、邪悪なブラック・メタルそのものな曲もやってます。あとはVoがヒステリックに歌ったり、低い普通声で朗々と歌い上げたりするのもいいです。"The Darkest Flame"なんかVoの見事な独唱から始まるんですよ。ここら辺は流石にアイルランドっぽい!とか思ったりもする。"Bebeath A Bronze Sky"がまた、ぞくぞくさせてくれる。バウロンとティン・ホイッスルとアコギによる、純然たるケルトな曲。ぼそぼそっと歌う男性Vo入り。そう、ギタリストが、バウロンもティン・ホイッスルも演奏しちゃうのです。ボーナス・トラックのうち"The Calling"は音質がしょぼいながらも、オープニング曲に劣らないかっこいい疾走曲です。"Among The Lazarae"は'93年リリースのデモに収録されていた曲です。(純生)