RAIN WITHOUT END / OCTOBER TIDE
 KATATONIAのメンバーによるプロジェクト。'97年リリースのアルバム。初期KATATONIA風ということでしたが、ずばりその通り。1曲目"12 Days Of Rain"の暗くも美しいメロウなイントロで、合格点です。こういうメロディは切々と胸に染みます。そしてデス声Voのディープなところが、より深いところに落ちていくような感覚…聴く時の心の状態にもよりますが、絶望の中にも微かな光が見えるみたいな。そんな抽象的な一言でも言いたくなりますよ。めちゃくちゃ好きなタイプですから。そして、多少テンポがアップしてノリノリ"Ephemeral"も名曲レベル。というか、全曲そうかも(笑)。ま、あえて難を言えば、ワン・パターンであり、傑出した曲がなく平均的にいい曲であるということ。 (純生)


THE SPRINGS / PARAGON OF BEAUTY
 ドイツ出身の5人組ゴシック・メタル・バンドの'98年リリースのアルバム。詩集入り豪華ボックスも出ているようなのですが、私が手にしているのは、通常盤です。ベースがおねいさんなのですが、音には関係ないですね; Voは非常に色気のある普通男性Voと叫び声のVoを歌い分けています。情感こもっている普通声がとてもいいです。最近でいうと、DARK TRANQUILLITYのミカエルのような普通声です。そして、落ち着いたテンポでいて、たまに走ったりする、クリアな透き通ったサウンドのゴシック・メタルをやっています。全然ノイジーではないのです。ギターの奏でるメロディもとても印象的。暗い雰囲気でいて、哀しいメロディでいて、なんか沈んでしまうのですが、メロディの良さが雲の間から微かに日差しが差すような、ちょっと前向きな気分にもさせてくれます。一部ではケルトのメロディも聞こえてきます(ほんの一部分ですが)。ユニオンでは安く落ちていたのですが、もっと評価されてしかるべきアルバムだと思います。落ちていたら、拾ってください。 (純生)


YAHILI / RAJNA
 HOLYレーベルからのニュー・バンドのおそらくは'00年リリースの1stです。出身国わかりません。2人組のようで、CDのパッケージにはエスノ・ゴシックとシールが貼ってありました。エスニックなゴシック…ということなのでしょうか? 妖しい系の中近東系な民族音楽を女性Voがまったりと歌うというもので(たまに男性Voも入る)、ゴシック・メタルではありません。ずばりDEAD CAN DANCEそのものという感じもしますね。DEAD CAN DANCEは大好きなので、こういったのも好きですが、ちょっと個性なさすぎかなあ。なので、はまるには至りませんでした。んでも、最近のHOLYがこういった変なバンドのアルバムをリリースしてくれるのも嬉しいですね。つやなしカーボン製のデジパック仕様です。上品です。 (純生)

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