WINDS BLOW HIGHER / SLEEPLESS
 イスラエルのゴシック・メタル・バンドのアルバム。がつがつしたゴシック・メタルではなくて、暗くふわふわした曲調…なんとも表現が難しい。サックスとかも入ってくるし、アバンギャルドでプログレな部分がかなり目立っています。てゆうか、プログレです!と言ってしまえば、私のこのやきもきした気分もすっきりするかも(笑)。ゴシック・メタルにしよとするから無理があるのか? でも陰鬱なところはゴシック・メタルを感じます。低い声の男性Voと、まるで女性Voのようなテノール声の男性Voの2人が歌っています。クレジット確認するまでは、女性Voだと思っていたぐらい…1曲では本物の女性Voがバック・ヴォーカルをやっていますけど。そんなわけで、とても個性的なサウンドです。ただ、イスラエルっぽいところは、たぶんなし。私もむちゃくちゃ気に入ったわけじゃない。そしてゴシック・メタルじゃなくて、ほんとプログレと紹介されるのも充分にありだと思う。  (純生)

FIGURE NUMBER FIVE / SOILWORK
 スウェーデンのメロデス・バンドの'03年リリースの5th。前作『NATURAL BORN CHAOS』において、それまでのメロデスなだけの音楽性を変えて、普通声とコーラス多用をして、メロデスなだけではないオリジナリティある音楽を確立したわけですが、本作はその延長線上にある感じ。前作は大好きな私は本作も当然気に入りましたが、同じなので名盤にはならない感じです。前作にはなかった"Departure Plan"のようなゴシック・メタルな曲もあるんですが、それはアルバム中のほんの一部なわけで、全体的には前作路線なのが残念です。   (純生)

HANTAOMA / STILLE VOLK
 '97年にHOLYからリリースされたフランスのトラッド・バンドの1st。このアルバムのリリースまでにも、HOLYは様々なタイプのゴシック・メタルをリリースしてきているわけですが、レーベルが未だ出していなかったタイプの一つがこのバンド…民族音楽、トラッドをやるバンドです。もちろんHOLYが契約する理由があって、全編アコースティックで、全然メタルではないものの、普通のトラッド・ファンからはそっぽを向かれるような変態的な楽曲を満載…。本当に満載ならいいんですけど、確かに普通の民族音楽だけじゃないですけど、フランスとかスペインって、個性的な民族音楽バンドいそうだし。そういったプログレ・ファンには普通に喜ばれそうな音です。ブックレットはフランス語で書かれている上に、文字の書体が読みづらいです…なので、全てをチェックする気はないのですが、聴いている限りは面白そうな民族楽器、古楽器なども使われているみたいです。なお、バンドは2nd以降はエレクトリック・ギターを導入したり、PARADISE LOSTのカヴァーやったりとか、メタル魂も出してきて、もっと変態になり、面白くなっていきます。    (純生)

BEHIND THE CURTAIN / STROMMOUSS HELD
 AVANTGARDEから'03年にリリースされたポーランドの変態シンフォニック・ゴシック・メタル・バンドの1stです。気持ち悪い音色のシンセ、ちりちりしたリフ、デジタル音、デス声…それらの要素が決してうまくまとらないでいて(笑)、突拍子もない展開を持つ曲を作りだしています。近年のSEPTIC FLESHとかROTTING CHRISTをもっとぐにゃぐにゃにしたようなサウンドという例えもありかも。だらだらした曲もあれば、ブラストで危機感あるような速い曲もあります。ごちゃごちゃし過ぎていて、つかみ所もなく、実はそんなに気に入っていません。非常に面白いことをやっているなとは思うけど。http://www.sh.art.pl/    (純生)

LOST TIME / SUNTERRA
 オーストリアの男女Vo擁するゴシック・メタル・バンドの'02年リリースのおそらく1st。男性Voがフルートも兼ねています。まったり感もあるけれども、どの曲もスピーディーでいて、テンポがいいのです。シンセの音色がちゃちいけど、リフは印象的。男性Voは力強いデス声で、女性Voは力はいるようなところも、力むことないソプラノ声です。歌い方が淡泊ってことか。曲によっては低い声でも歌っています。フルートは半分ぐらいの曲で、活躍しています。オープニングのフルート入り疾走曲"Fields Of Pain"、ミドル・テンポで流れるような歌メロが印象的な"Out Of The Dark"が特にお気に入りです。そんなに個性的ではないものの、楽曲もいいしで、とても気に入りました。名盤指定です。http://www.sunterra.org/     (純生)

JADED / TO/DIE/FOR
 フィンランドのロマンティック・ゴシック・メタル・バンドの'03年リリースの3rd。私はこのバンドはそんなに好きじゃないんです。メロディがあまあまで、ワン・パターンで…同じことがHIMにも言えるのでしょうけど、HIMは大好きなんですよね(苦笑)。さて、一時的には解散していた彼らが再び集まって作られた本作ですが、予想内の音楽性だろうし、当然あまり期待もしていなかったのですが、これまでのパターンから、ちょっと抜け出した音楽性になっているのではないでしょうか。意外とそこそこ気に入ってしまいました。どの曲もシングルになってしまいそうなぐらいキャッチーなのは、これまで通りなのですが(笑)。後半が特に好きです。シンセのリフが印象的な"Anos De Dolor"、女性Vo入りの"Silence Tells More"。ちなみにアルバムのリリース後ちょっとして、Voが脱退してしまいました。ツアーはFOR MY PAINのVoを代役に立てて行っているようです。   (純生)

PRELUDE TO MONOLITH / UNTIL DEATH OVERTAKES ME
 ベルギーのシンフォニック・フューネラル・ドゥーム・メタル・バンド(とかでいいかな?)のアルバム。5曲で70分弱。21分なんて曲もやってます。きれいな音色のシンセのゆっくりと音を奏でていて、歪んだギターの音がこれまたゆっくりと音を出していて、たまーにリズムの音が出て、Voがディープなデス声でゆっくりと歌います。どの曲も見事に同じ感じ。暗い音楽は好きですが、ここまで起伏がない曲だと、正直眠くなります; 暗さ、重さに、遅さをとことん極めて、美しさも損なわないでる…と良く言えばそういうことになります。 (純生)