ES REITEN DIE TOTEN SO SCHELL / SOPOR AETERNUS & THE ENSEMBLE OF SHDOWS
 白虎社のようなスキンヘッドで前身白塗りの人達がジャケやブックレットに満載で、非常に妖しいです。国籍不明、何人組なのかもよく分からないのですが、ヴァイオリンやチェロ、トランペットなどオーケストラな楽器のゲストが10人参加しています。ギターなしのシアトリカルなゴシック・メタルをやってます。'02年リリースのアルバム。初めて聴きます。シアトリカルで、オーケストラな楽器入りで、男性Voが情けなく歌っているあたりは、LACRIMOSAに通じるものがありますが、もっと中世的な音楽で、豪華なシンフォニックさは持ち合わせてはいません。そのかわり、オーケストラな楽器の一つ一つの個性が際立っています。大所帯オーケストラ・ゴシックHAGGARDに比べるともっとぬるい音楽というか、癒し系というか。ギターがないからですよね。ELENDのように様式とか神懸かり的なものはなくて、自由なスタイルでやっていて、ずっと変態な音楽でもあります。ネットで検索したら、アルバム5,6枚出ているようで、見つけたら全部買わなくてはー。    (純生)


THE CUBE / SUP
 現在、フランスのHOLYレーベルでは一番プッシュされているように感じるこのバンド、私は何故こんなにプッシュされているのか、何故欧州で人気があるのか、何故3枚組トリビュート・アルバムなんて凄いものがリリースされてしまうのか、その理由が分かりません。…実際に人気あるのか知らないけど、コンスタントにアルバムだして、ライヴもやっているようだし、人気あるのでしょう。私はHOLYということで、アルバムは聴いてはいても、あまりにも印象が薄くて、一部のアルバムを除いては、感想を書くことを放棄していました。でも、HOLYの大部屋も作ったことだし、改めて聴いてみて、感想書いてみようかなと。で、このバンドはフランスを拠点に活動しているようなのですが、出身自体はベルギーという話を聞いたことがあります。そして結成当時はSUPURATIONと名乗っていて、'94年に1st『THE CUBE』をHOLYではないレーベルから、リリースしています。その後HOLYの移り、SUPと改名して、'97年に2nd『SEVEN ROOM』をリリース。それとほぼ同時に、1stをリマスターして、3曲追加して再発したのが本作になります。オリジナルのジャケットは似たようなデザインなのですが、ちょっと違います。さて、サウンド分析。デジタルっぽいゴシック・メタル。ドイツのゴス/インダストリアル・バンドがやるような派手なぴこぴこではないです。さりげなくぴこぴこ。曲によってはぴこぴこなしで、ドゥームっぽい。暗い雰囲気の中に存在する美しいメロディはゴシック・メタルのものだし。Voは普通声とデス声を歌い分けています。独特の雰囲気を持っているのは確か。個性的なサウンドです。タイトル・トラックが一番印象的。というわけで、SUPがちょっと好きになってきました。でも、人気の秘密はまだ分かりません。  (純生)


EMBER TO INFERNO / TRIVIUM
 米国はフロリダ州産メロディック・デス・メタル・コアTRIVIUMによるデビュー・アルバム('03年)。一見ゴシック・メタルっぽさもあるジャケットの雰囲気は完全にヨーロッパであるが、各々の曲からIN FLAMESやSOILWORKといったスウェーデン産メロディック・デス・メタルへかなり傾倒していることが分かるけれど、TRIVIUMのユニークなところはHATEBREEDなど米国産ハード・コア勢からも影響を受けているということだ。リズムを強調するところと、メロディを前面にだすパートがバランスよく配置されているところに好感が持てる。部分的にカナダ産ヘヴィ・ロックKITTIEを思わせる混沌とした音を聴かせる"Pillars Of Serpents"(2曲目)、イントロ部分の雰囲気がIN FLAMESのサード・アルバム『WHORACLE』収録曲に近い上、ザクザクとした質感のクールなGuitarリフが出てくるものだから思わず聴き入ってしまった"When All Light Dies"(11曲目)は特に素晴らしい! "Requiem"(5曲目)、"Ember To Inferno"(6曲目)、"Falling To Grey"(9曲目)、"My Hatred"(10曲目)も聴き逃せません!    (Little Rock)


KAIKEN KAUNIIN LOPPU / WASARA
 フィンランドのゴシック・メタル・バンドのアルバム。何年リリースなのか不明なのですが、'90年代風のゴシック・メタルの基本的なことをやっています。ギターのメロディの美しさが映えてます。かと思うと、退廃的な今風のヘヴィなリフなどもあったりして。ゴシック・メタルに相応しい渋い普通声の男性Voが現地語で歌っています。憂いのある歌い方はなかなかいいです。かと思うと、ぶち切れたように激情的なデス声で歌ったりもしています。今風の甘いゴシック・メタルなんか、本当のゴシック・メタルじゃない! こういう力強さを持っているのがゴシック・メタルなんだとーなんて思ってしまう曲もあり。いえ、あまあまなのも大好きですけど。おっと、ここまで書いて、KATATONIAフォロワーかなと思いました。いまいち地味ですけど、いいゴシック・メタル・アルバムです。     (純生)


LIKFERD / WINDIR
 ノルウェーのヴァイキング・メタル・バンドの'03年リリースの4th。まず非常に悲しいことから書かなければなりません。1/16にVoのValfarが25歳の若さで亡くなってしまいました…。後日、バンドは解散を表明してしまったので、、これが最終作となります。2枚組の企画盤がこれから出る予定ですが。さて、ブラック・メタルにフォークなメロディを入れているENSLAVEDタイプのヴァイキング・メタルってことでは前作路線のままのようです。激烈な音の洪水の中を、メロディアスなギターが自然に映えます。クリーンVoも自然に映えます。前作同様に、アコーディオンも健在です。でも入るのは1曲だけでしょうか? 私はこれが一番彼らの個性であり、好きなところなので、もっともっと聴かせてほしいのですけど;    (純生)