THE MORNING NEVER CAME / SWALLOW THE SUN
 先にえれのあさんが感想を書いてくれていますが、私も聴きましたよ。フィンランドのゴシック・メタル・バンドの'03年リリースの1stです。遅く暗く楽曲ですが、ギターのメロディは映えまくで、深淵へ引き込まれるような音像です。Voは超ディープなデス声。数曲ではKATATONIA風のとても魅力的な普通声も入ってきます。そうデス声のVoがちょっと単調なのが難点かな。ここまでディープなデス声だと、表現に変化を付けるのも難しいと思うけど。全体的にはTRISTITIAというか、KATATONIAというか、MY DYING BRIDEというか。そんな感じ。これは、ゴシック・メタルの一つの理想のスタイルです。ほんと素晴らしいです。オープニングの"Through Her Silvery Body"は名曲指定です。イントロの悲しげなピアノのメロディがブレークした瞬間に本編が始まるところがあたらなくいいです。9分弱もあるのがちょっと残念、いや長いからこそ名曲になったのかもしれませんけど。他の曲も捨て曲なし。どの曲もイントロからして、魅力たっぷりの悲哀のメロディを全面に出しています。私も今年のベスト・アルバムの1枚にすると思います。   (純生)


MY SHOUT / THELEMA
 イタリアのゴス/インダストリアル・バンドの'95年リリースの4曲入りシングル。初めて聴きます。タイトル・トラックはデジタルなリズムで、暗くてものりのりな単純に好きになれちゃう曲。女声コーラスがいい感じ。残りのうち2曲はしっとりとした曲。デジタルなし。もう1曲はもっともっとインダストリアルな曲。ネット上で検索しても、このバンドのことは分かりませんでした。正直、ゴシック・メタル好きの延長ででも、こんなのまで聴かなくてもいいのかもなってのもあるけど、意外と良かったので、今後もほどほどに聴いていきたいです。   (純生)


TESTAMENTUM(IN HORA MORTIS NOSTRE) / VIA MISTICA
 Poland, Gothic/Death Metalによる1stです。2 Gt体制のFemale Voを含む6人組みです。正直、類型的な音ではあります。けれど、これがなかなかの出来栄えでいいですよ。「だってさ、結局これが好きなんだから、しょがないよな」と開き直るGothic fanの続出する姿が容易に想像できるクオリティ(笑)。Death Screamはゲスト的な扱いで、Female Vo主導の実直なGothic Metalなんですが、どこかの怪しげなマッサージ師か東洋のつぼ師か針療法師が、こっちが何も言ってないのにそっちからツボを当てて突いてくる感じで、ド真ん中ストライク(アウト)です。特に2曲目の4分台後半から切り込んでくるチェロ(Violin?)が、思わずピピー! といきなりレッドカードを出したくなる反則技的な展開をはじめとして、なかなか聴かせるんです。Female Voは現地語でなくて英語で歌っていますが、発音の仕方に独特のなまり/Intonation が残っているので(ぬぐいきれるわけもなく、隠しきれるわけもなく〜)、なんとも言えないPolandならではのダシ(ってどんなだー)が出ていて(うまみも倍増)goodです。ちょっと舌ったらずな感じ、垢抜けなさがまたなんとも。それにしてもです。やはりPolandという国からは、この国特有のatmospherが生まれるようです。そして、それがFemale Vo主導のGothic Metalにおいては特に顕著になるようです。これは Brutal Death MetalにおけるIndonesiaシーンと同様に、Gothic Metal界の貴重な財産ではないでしょうか。戦争、占領と独立、社会主義…歴史的な史実を考えても、Extream Metalが生まれ、その表現方法が Death Metalという形であることはごく自然なことなのか…東欧ってのは実に奥深い地帯であります。  (えれのあ)


THE HOLY BIBLE VOL.IV / V.A.
 フランスのHOLYレーベルのコンピレーションの第4弾。'02年リリース。一応リリース時点は全て未発表音源というのが売り文句です。確認はしていないけど。とりあえず素晴らしいですよね。ブックレットも豪華だし。ま、値段も安価なサンプラーと違って、通常の値段ですけど。まあ、HOLY大好きな私にとっては宝箱みたいなアルバムです。HOLYの社長のバンド、MISANTHROPE"Contemplation"は疾走感があって、なかなか印象的。どろどろしているパートもきちんとあるところがいいです。スウェーデンのドゥーム・ゴシックTRISTITIAは10分弱の"When Tears Still Cry"…こちらの期待通りに、暗くて、でも美しいメロディが溢れていて、とても満足です。解散してしまったSEPTIC FLESHのメンバーによるプロジェクトCHAOSTAR"Elegy"は強烈です。2分半と短い曲ですが、民族音楽的な呪術のような女性Voの歌声の合間合間に突然アグレッシヴな音が入ってきます。このバンドのHOLYでの契約はまだ残っているらしいので、3rdに期待したいところです。他には、DIVISON ALPHA, OMINOUS, RAJNA, ELEND, NIGHTFALL, GLOOMY GRIM, STILLE VOLK,NATRON, SEPTIC FLESH, AM'GANESHA'N, SOULGRIND, S.U.P, EXHUMATION, ARGILEを収録。また通常盤の他に、これまでのコンピ4枚入りのBOX SET、それとコンピII〜IVの3枚とPARADISE LOSTトリビュートの計4枚入りのBOX SETもリリースされているのですが、残念ながら未入手です。     (純生)

WORLD MISANTHROPY / DIMMU BORGIR
 ノルウェーのブラック・メタル・バンドの'02に出された映像作品集です。中身は、2枚組に成っていて、ライヴが中心と成っています。実は自分、普段から音楽映像作品は、買わない主義でしたが、ある日、自分、ある程度余裕があったので、たまには、良いかなー気分で、買ってみたのですが(ちなみに、店員さんに、プレステ2で、見れますか??って尋ねました…;)、これが凄かったです。この系統で、既にCRADLE OF FILTHのライヴ音源を聴いてましたが、この作品を見て、CRADLE OF FILTHより、DIMMU BORGIRの方が好きに成りました(汗)。て言うか、DIMMU BORGIRのライヴ・アルバムを10数曲入りで、出して欲しい感じです(薄笑)。結論として、この作品、予想以上によかったので、自分的に、良い意味で、裏切られた気分でした。     (クサブラメタラー)