SOMNIA / AM' GANESHA'N
HOLYレーベルから'03年にリリースされたRAJNA, SPEAKING SILENCE, LES SECRETS DE MORPHEEのメンバーによるDEAD CAN DANCE系ゴシック・プロジェクトの2nd。1st『BEYOND THE SOUL』は素晴らしかったです。名盤指定でした。妖しくアグレッシヴな民族音楽サウンドに、女性ソプラノVoをメインとしたコーラスがとても美しかったです。そしてRAJNAのメンバーをも含むわけですから、RAJNAよりもいいものを期待しちゃいます。…が、この2ndはどうしたことか、正直面白くありません。多重コーラスの美しさはそのままなのですが、楽曲がだらだらしていて、つまらないのです。"Mesmerized Mirror"は、まあ楽器の演奏に活気があって、多重コーラス妖しくていいかな。ラストの"Epitaph"は期待しちゃったのですが(笑)、オリジナル曲でした; (純生)
MABOOL / ORPHANED LAND
これほど待ち続けたアルバムがあっただろうか。イスラエルの超個性派ゴシック・メタル・バンドの8年ぶりの3rdです。2nd『EL NORRA ALILA』リリース後にHOLYレーベルを離れて、CENTURY MEDIAに移籍のニュースが伝わってきていたのはかなり前のことでしたよね。コンセプト・アルバムになっているようで、でも基本的な音楽性はそのまま。中近東っぽいメロディ、楽器を多用した妖しいゴシック・メタル。ま、これまでに比べるとデス・メタルっぽさが薄れて、デス声よりも普通声を多く使っているし、繊細な音作りになっているかな。密教的な中近東の妖しさももっと大衆向けになっているかも。オープニングの"Birth Of The Three (The Unification)"は名曲指定。軽快でノリのいい曲調の中に妖しさたっぷり。終盤の女声コーラスにもどきっとさせられます。そうそうこのバンドには女性Voがちょい役ながらいるのはずですが、ブックレットではメンバー扱いされていないのが寂しいです。"A'salk"はそのおねいさんが歌いあげるメタルなしの中近東な曲です。"Building The Ark"は上品で繊細な中近東な曲で、なんとクワイア入りです。それだけではなくて"Mabool (The Flood)"に至ってはイントロからオーケストレーション入りです。雨の音と共に弦楽器が印象的なフレーズを刻み、そこにギター・リフがシンクロしてくるところが感動的です。…とはいえ、全体的には1st『SAHARA』、2ndに比べると満足感はいまいちだったりします。しかし初回限定は2枚組みで、5曲のアコギ・ライヴが収録されています。地元イスラエルでの'02年のライヴです。実はこちらの方が馴染みの曲が多いだけに楽しめてしまうのです;
しかもお客さんののりもいいです。"A Never Ending Way"は女性Voも一緒に歌う曲で、ここの曲あたりから、お客さんが一緒に歌っている声が聞こえだしてきます。そしてPARADISE LOSTトリビュートに提供していた"Mercy"のカヴァーです。アコギということで、かなり大人しい目ですが、中近東な楽器の音とたいこの音はちゃんと再現。女性Voもちゃんと入ってきます。サビを歌い上げる部分はかなり感動的です。なーななーなんてコーラスも入れちゃいます!
ほんと彼らの解釈によるカヴァーに仕上がっていて、素晴らしいです。そして1stの"The Beloved's Cry"は聴いた当時はアルバムの中に1曲に過ぎなかったのに、10年をかけて、だんだんと名曲であることが分かってきたわけですが、このライヴでは地元のファンの人気っぷりを聴かせられて、決定的に名曲になってしまいます。オリジナルにはない上品なシンセとアコギから、その曲が"The
Beloved's Cry"だと分かった時のお客さんの盛り上がり方の凄いこと。そしてですよ、一緒に歌っちゃうですよ!
もう涙が止まりません…。ラストには9分に及ぶ必殺技…7曲のメドレーですよ。凄い!
もう何も言うことはありません。ライヴ音源込みで当然ながら今年のベスト・アルバムの1枚に決定です。http://www.orphaned-land.com (純生)
SLEEPY BUILDINGS - A SEMI ACOUSTIC EVENING
/ THE GATHERING
オランダの女性Vo擁するゴシック・メタル・バンドの'04年リリースのセミ・アコギ・ライヴです。契約が終わったはずのCENTURY MEDIAからリリースされてます。契約履行の為のリリースなのでしょうか。でも、それにしても充分過ぎる。ベスト・アルバムでお茶を濁してもいいいのに。なおアメリカ盤はジャケが違います。注目すべきはAnneke加入以前の『ALWAYS』と『ALMOST A DANCE』からも選曲されていることです。どんな曲か覚えてないと思っていたのですが、"The Mirror Waters"のピアノのイントロで思い出しましたよ。Annkeが歌い上げていると微妙に違和感があって、面白いですね。でも変じゃないですよ。すっかり馴染んでます。あとは大好きな"In Motion PartU"…サビの盛り上がり部分はびっくりしちゃうぐらいにAnneke大熱唱ですよ。アグレッシヴなパートをも持つ"Eleanor"はアコギでちょっと違った風になっていて、そこが面白いです。で、アルバム全体的に見ると、アコギってことで仕方ないのでしょうけども、ちょっと地味目です。ブックレット見ると、Annekeが椅子に座って、ギター弾きながら歌っている写真が…とても可愛らしいです。萌えー。(純生)