GALGENDAMMERUNG / NOCTE OBDUCTA
 ドイツのゴシック・メタル・バンドの'02年リリースのアルバム。'03年リリースの『STILLE - DAS NAGENDE SCHWEIGEN』を先に聴いているのですが、OPETHっぽい、遅いパートと速いパートの緩急の付け方がなかなかいいゴシック・メタル・バンドでした。が、本作は遅い部分もあるにはあるけども、疾走パートがかなり目立っていて、Voは吠えるし。ブラスト・ビート叩いているし。そうゴシック・メタルじゃなくて、ブラック・メタルですわ。ブラック・メタルにおけるメロディアスで遅いパートがあるって感じ。少なくとも本作を初めて聴けば、好きなものは何でもゴシック・メタルにする傾向がある私でも、迷わずブラック・メタル扱いです。シンセ入りですが、シンフォニック・ブラックというわけでもなく、効果的に使っている程度かな。速くて、適度に暗くて、プリミティヴな部分もあり、むちゃくちゃ個性的ってものはないけど、かっこいいかも。鋭く低音のギターを聴いているとEMPERORを聴いている感じもなる。(純生)


REPLIKA / DIVISION ALPHA
 HOLYから'03年にリリースされたフランスのデジタルなゴシック・メタル・バンドの3rd。これまでと同じ路線で、かなりデジタル音がきついゴス/インダストリアル。まあ1st『FAZIUM ONE』と比較すると、派手になって、歌メロもちょっとは印象的になって、より大衆にアピール出来るようになってきたと思う。が、HOLYの中にいたのではアピールしようがないか。HOLYファンとしては、こんなのは異端で、だめだめ扱いでしょうし。それと、HOLYにおいては異彩を放っていても、ゴス/インダストリアルのシーンの中に入ってしまうと、個性隠れてしまうんじゃないでしょうか。可愛いおねいさんが歌ってくれると個人的にはいいけど。って、それでも個性にはならないものなあ。イントロに続く2曲目"Inside Replika"の歌メロがとてもいい。といっても、全16曲で60分はちょっと長い。デジタル音の中に身を置くというBGM扱いならば、それもよしか。また1曲Video Clipが収録されてます。紫な映像です; デジタル音に合わせて、男が気持ち悪く動いてくれます。面白くないなー;
 初回限定盤は2枚組です。2枚目には14曲で70分にも及ぶremix音源が; クレジットがないので、1枚目のremixなのかどうか分からないけど、聴いた感じではまるで違う曲。それとこちらの方がよりデジタル音がきつい。そんな違いは分かる。それにこちらの方が徹底していて面白いかも。もちろん個性的ではないですけど; (純生)


SCARLET / CLOSTERKELLER
 ポーランドの女性Vo擁するゴシック・メタル・バンドの'99年リリースのアルバム。たーくさんアルバムをリリースしているバンドです。音楽性はゴシック・ロックから、徐々にゴシック・メタルに変化していく感じで、アルバム毎のカラーはあまりない分、アルバム・タイトルには毎回、色の名前を付けてます(笑)。なかなかこれといった曲もなく、毎度感想も出てこないのですが、本作ぐらいになると、ゴシック・ロック的な乾いた音なのだけども、ゴシック・メタル的な間の取り方をしている。でもギター・ソロとかはないんですよ。ギターは流麗じゃない。更にしっとりしちゃうと、同郷のMOONLIGHTやARTROSISと同じになっちゃうかな。おねいさんは、ポーランド語で歌われていて、力強く歌ったり、まったりと歌ったり。当然ポーランド語の発音が個性的ではありますが、ポーランドのゴシック・メタル・マニヤにとっては日常的なことだし? あと本作の特徴といえば、これといった曲が結構あるのですよ。それに個々の個性がしっかりと見えてきている。"Tak Siq Boje Bolu"(本当はポーランド語で、アルファベットではないので、これはインチキ)はアグレッシヴな曲ながらも、歌メロが印象的。タイトル・トラックはこのバンドにしては、しっとりしているサウンド。他の曲もなかなかいいです。コメント付けるほどでもないけど。ま、それでも本編だけで15曲収録は多過ぎるけど。さらにボーナス・トラックとして3曲追加、更に2曲のVideo Clipが収録されてます。Video Clipはおねいさんの歌っているお顔中心。演奏もちょっと。あとはイメージっぽいけど、まあ、メンバーが充分に動いているだけでも満足。(純生)