FROM THE SHADOWS / UNHOLY
 フィンランドのドゥーム/ゴシック・メタル・バンドの'93年リリースの1st。オリジナルはLETHALからリリースされてますが、私が入手したのは'99年にAVANTGRADEから再発されたものです。仏像ジャケが非常に妖しいですし、ブックレットのメンバーは白塗りをしていますよ。そして、ある意味期待を裏切らない音の悪さ、この音の隙間、この音の薄っぺらさ、だるさ、しょぼさなのです。なんか懐かしい昔のデス・メタルを聴いている感覚で思わず微笑んでしまう。ただしアトモスフェリックで、煌びやかなシンセが入ってくるところは、この時点で既にいいセンスしているなあと正直唸ってしまいますよ。そしてメロディアスな曲もあり、1stでも充分にゴシック・メタル認定です。なお、2nd以降に入っている女性Voはなし。その変わりメインはデス声で歌われているのですが、数曲で普通声があり。この部分が後にソプラノ女性Voになっていくわけですね。UNHOLYの1st、聴けてよかった! (純生)


HOLY-ER THAN THOU 7 / V.A.
 フランスのHOLYレーベルの5バンド10曲入りサンプラーのVol.7です。'05年リリース。まずは社長のMISANTHROPEの新作から。2曲とも速くてシンフォニックな前作路線の作風ですが、"Le Haras D'Amazones"はベース・ラインがしっかり聞こえてきて面白いなあ。あと決してかっこよくはなく、変な曲であるのも嬉しいところ。変態さを取り戻したか? アルバムを聴くのが楽しみです。KADENZZAがゲスト参加している曲もありますしね。そのKADENZZAは2nd『THE SECOND RENAISSANCE』から"Ghost In The Shell""The Abyss Stares At You"を収録。初期ほどではないにしろ、これだけ変態バンドが揃っているサンプラーの中でも、際立つ変態さ。いよっ! 変態さん! こりゃサンプラーで初めて聴いた人も驚くだろうなあ。RAJNAは'05年の新作『BLACK TEARS』から…特にこれまでと変わらないエスニックなゴシック音楽。HANTAOMAは期待のニュー・バンドです。トラッド・メタルをやっていますよ。って、STILLE VOLKのメンバーのプロジェクトなので品質保証付き? 男性Voが力強く歌い、ヴァイオリンやパイプが入り、しっかりとメタルな音を出しています。そこらへんが変態トラッドSTILLE VOLKと違うわけです。近年はヴァイキング・メタル・バンドが日本で受け入れられていますが、まだそれらのバンドと比べると、コアなトラッド・メタルという感じですが。でも、私と同じ側に立っている人からしたら、こっちの方がもっと面白いですよ! まあ、アルバムを聴くのがとても楽しみですよ。イスラエルのゴシック・メタル・バンドSALEMはHOLYがフランス国内をディストリビュートをするということで、『STRINGS ATTACHED』から2曲。これまでの音楽性と違い、オーケストレーションと合唱隊入りですよ。まあ、特に新しいことではないですが、デス声をしっかり残しているので、いまいち洗練されてないところが、THERIONと比較すると新鮮だったりするわけです。既にアルバム買っているので近いうちに聴きますよ。(純生)

THE LOVE LIKE BLOOD EP / LOVE LIKE BLOOD
 ドイツのゴシック・ロック・バンドの'98年リリースの5曲入りミニ・アルバム。なんか聴いたことある曲多い。クレジット確認していったら、確かにそうです。"Pale Sky"は大好きな部類の曲です。ゴシック・ロックのフィールドで活動しているバンドですが、メタルっぽい力強さと音の厚みがしっかりと出ている。そしてキャッチーな歌メロなのもいい。"Love Like Blood"KILLING JOKEのカヴァー。オリジナルは聴いたことないですが、きっとバンド名の由来なのでしょうね。他の曲はまあどうってことないです。ゴシック・ロックらしい軽さが気になるので、あくまでも私のメタル耳で聴いた感想ということでお許しを。でもま、好きなバンドなので音源は地道に集めていきますよ。(純生)