ALONE IN PARADISE / DOWN IN A HOLE
 韓国の男女Vo擁するゴシック・メタル・バンドのアルバム。ハードコア、ヘヴィ・ロックのようなのりの楽曲、ハードコアを歌うようなディープな吐き捨て男性Voに、え?ゴシック・メタルだよねえ?と一瞬ひるんだものの、超本格派のソプラノ女性Voが絡んできて、ほっと一安心。例えが悪いかもしれないけども、SEPULTURAというかSEWHEEL OF DOOMというかそんなサウンド。プログラミング担当もいるので、適度にそれっぽいピコピコ音も。ざくざくとしたギター・リフに一点の曇りもないソプラノ・ヴォーカルが絡むところはAMARANとかTHE PROJECT HATE MCMXCIXに通じるものがある。バラード調…ハングル文字なので曲名書けません…は、他の曲と違って、おねいさんがメインで大活躍。しっとりとした憂いのあるメロディがとてもいい。ラストの
"Don't Konw What You Got(Till It's Gone)"…これまた美しいバラード。ピアノをバックにおねいさんが素敵な歌メロで歌い上げてくれる。しかも、しっかりと心に刻まれているこの歌メロは…CINDERELLAのカヴァーですよ。うあー、今でこそゴシック・メタルしか聴いていないけども、過去はいろいろ聴いてきたおかげで、こうやってゴシック・メタルをより楽しむことが出来る。我ながら素晴らしいです。もちろん本作中一番気に入った曲。それにしても、隣国・韓国には面白いバンドがいるなあ。日本も頑張って。(純生)


STORM / THEATRE OF TRAGEDY
 ノルウェーの男女Vo擁するゴシック・メタル・バンドの4年ぶりの6th。女性Voが
THE CRESTNell嬢に変わっての1作目。先行シングル『STORM』の感想でもぼやきましたが…ゴシック・メタル・シーンをリードしてきた、そして盟主でもある彼らが、こんなにも普通のゴシック・メタル・アルバムを作っちゃ駄目でしょ。期待外れもいいとこです。それとも、ゴシック・メタルの音楽性を自ら拡散させてしまった彼らが、基本に戻り、正しいゴシック・メタルを'06年にやるのに意味があるんだよ!とか力強い信念でもあればいいけども。本当に嘆かわしい。しかし、本作は普通のゴシック・メタル・アルバムとしては、やたらと出来がいい(笑)。神がかったLiv嬢のVoには敵わぬものの、Nell嬢の透明感あるソプラノ・ヴォーカルはとてもいい。魅力的な歌メロをどの曲においても発揮しているのです。超名曲こそないものの、それなりの名曲がずらっと並びます。タイトル・トラック"Storm", "Silence", "Ashes And Dreams"...とピックアップしていったら、つまらない曲の方が少ない感じ。敢えて文句をつけるならば、同系のこじんまりした曲ばっかりだということかな。でもでも、聴いていると凄くいい気分にさせてくれます。今年のベスト・アルバムの1枚。(純生)


IMAGO / SUP
 フランスのゴシック・メタル・バンドの'06年リリースの7th。前作
『INCUBATION』で、SUPURATIONにバンド名を戻したのに、本作はまたSUPに戻しているんですけども、何か意味があるのでしょうか; でも音楽性は何ら変わっていません。まあ初期からずっと同じと言えば同じなのですが、歴史の中でそれなりに音楽性の変化はあるのですよ。で、本作は前作の流れのままかな。普通声とデス声を歌い分けていて、だらだらとした中に見え隠れする美しいメロディもあるけども、激しいパートもあります。独特の個性あるサウンドを確立しているバンドであることは既に認めているところですが、これといった曲も見つからず、アルバムとしては地味かなあ。あと10回ぐらい聴けば、混沌としたサウンドの虜になりそうな気もしますが。(純生)