DANTEFERNE / SADNESS
 スイスのゴシック、'95年リリースの2nd。1stは妖しいという印象しか残らず、凄いアルバムだと思ったけど、あまり聴く気にはならないような感じだった。1曲目、ふわふわした女性Voのコーラスから始まり、演奏が始まると、今度は気怠いコーラスに変わる。この妖しさだけで、凄い!と思うのは気が早いか(純生) 1stに比べるとずいぶんバンド的な曲をやるようになった。ルーズな曲調にピアノや女性コーラスが入ってくるのが印象的ですが、それは決して美しいというものでもない。やっぱり妖しさが目立つゴシックです。(純生)


DOWN / SENTENCED
 名盤『AMOK』のあとのミニ『LOVE AND DEATH』は疾走感はなくゴシック寄りになっていて、今後の方向性に対して不安な要素だった。今回の『DOWN』がその方向性にはいかず、『AMOK』と同じように疾走感あるヘヴィ・メタルなのは、とりあえず良しとしよう。だがしかし、なんだこの新しいVoの力弱さといったら。AMORPHISの『ELEGY』でのヴォーカルの弱さに対する落胆と同じ思いです。こんなVoだったら、デス声で吠えてくえたくれた方がよっぽどいいのに。楽曲の方は残念ながら、『AMOK』のような輝きのあるメロディはないものの、ヘヴィ・メタル然とした曲のかっこよさは相変わらずで、"Bleed", "I'll Throw The First Rock"のメロディの良さには、Voの悪さを一瞬忘れてしまうほどですけど。(純生)


DER SCHWARZE PRINZ / TOTTENNACHT
 オーストリアのレーベルからリリースされているゴシック・メタル。軽快なテンポの曲を、がなり気味に英語じゃない言葉で歌っている。なかなか綺麗なメロディもあったりする。とここまで書いた形容だけだと無個性そうだけど、強烈な個性がある。ギターの透明感ある音色といい、曲間を埋めるようにピロピロと割り込んでくる作りといい、まるでSteve Vaiがギターを弾いているようである。どの曲もSEがあったり、語りの部分があったりもしている。もしかしてコンセプト・アルバムの類なのかも。(純生)


POSSESSED / VENOM
 初期の3人編成時代では唯一買い漏らしていた'83年リリースの4th。確か問題作とされていたような気がする。特にいつものVENOMと変わらないよいな気もするけど…名曲がない。他のアルバムにはあるのかよ?と言われそうだが、あるんです(強引だ)。どの曲も小粒だし、音も凄く悪く感じる。簡単に作ってしまったようなアルバムに感じる。問題作というか、駄作かも。(純生)


THE HOLY BIBLE / V.A.
 I.S.E.ではお馴染みのフランスのゴシック専門レーベルHOLYのコンピレーション。いわゆるサンプラーかなと思って、しかも10バンドしか収録していなくって、値段も普通だったので(デス系のサンプラーは値段が半値ぐらいになる)、見送っていたのです。が、中古で1,200円と高い目であったけど購入。ところがどっこい、これがサンプラーなどという、手抜きではなかった。充実のコンピレーション。おそらくは全10曲が、リリース当時は全部未発表曲、あるいは未発表音源なようだ。しかも10バンドでは物足りないと思っていたのも、HOLYレーベルを熟知していなかっただけであって、HOLYの所属アーティストはこの時点でたった10しかいないんです。それが全て収録されているなんて、タイトルに相応しい内容じゃありませんか。しかも表に「未発表曲あり」とか表記しないところが奥ゆかしくていいではないですか。そして全カタログのジャケットも紹介。この時点で、HOLYは23のアルバムをリリースしているのですが、私はまだ10枚も持っていないものがあった(汗)。せっかくなので、10バンドを簡単に紹介したい。ちなみにコピー文句はブックレットに書いてあったことを翻訳ソフトに訳さ せたものです(汗)。ちょっと直訳が強引かもしれませんけど。HOLYは出身国の怪しさも大事なので、念の為に書いておきました。
 天使のような葬式用の調達者YEARNING(フィンランド)…この時点ではデビュー・アルバムがリリースされていなかったが、最近リリースされたようだ。落ち着いた感じのゴシックかな。まあ、期待できそう。黒い革の礼拝NIGHTFALL(ギリシャ)…フル・アルバム3枚に、ミニ・アルバム1枚をリリースしている。MANOWARのカヴァーもしていたので、MANOWARの権威さんがレポートを書いてくれたこともありました。メロディの輪郭がはっきりしているゴシックかな。ライヴ・テイクじゃないみたいだけど、曲の最後にオーディエンスの「NIGHTFALL!」コールが凄いです。イギリスのDoomsters怪物SERENITY(イギリス)…「Doomsters」は訳せなかったらしい。このバンドは1stは以前に私がレポートしています。まあ普通の飾り気のないゴシックですが、悲哀のあるメロディがそこそこ美しいです。2ndもリリースされてますが未購入。正真正銘の東洋の壮大ORPHANED LAND(イスラエル)…皆様お馴染みのバンドです。イスラエルも東洋になってしまうのか? イントロがメロデス調に走る曲。中近東メロディは希薄なので、ちょっと物足りないです。LUCIFERIAN(革命の)ELEND(フランス/オーストリア)…ギター、ドラムなしの雰囲気物の第一人者。ここでも12分もの曲を雰囲気で埋め尽くしています。大気の空想ON THORNS I LAY(ギリシャ)…このバンドはアルバム出しているのに、全く知りませんでした。テンポよく、元気があるゴシックかな。呪いのラビリンスTRISTITIA(スウェーデン)…やたらドゥーミィーなゴシックかな。Voが男性オペラ声です。ヴァイオリンがなきなき。アトラクション(怪奇である)MISANTHROPE(フランス)…アルバムを3枚もリリースしてます。コアな曲調な曲であるが、実は怪しいゴシック。'70年代の生存GODSEND(ノルウェー)…Dan Swanoプロデュース。ドゥーミィーなゴシック。美しさも素直にアコギで表現したりする。HOLYでは最も普通な音をしていると言えるかも。暗いロマン主義&古代人メモリSEPTIC FLESH(ギリシャ)…ノリノリの軽いギター主体の曲調なので、ずっこける。ちょっと、いいかっこしすぎ。本当はもっと陰湿なくせして。でも美しいけど。(純生)