666 / DIABOLOS RISING
'94年リリースのIMPALED NAZARENAとNACROMANTIAのメンバーによるプロジェクトのアルバム。リリース当時にユニオンでいつもディスプレイされていて、凄く気になっていたのだけど(特にタイトルとか)、今頃中古で手頃に買うことが出来ました。基本はデス・メタル。でも怒濤のブラスト・ビートもあるけど、ピコピコしたエレクトリックなサウンドは激烈さを和らげていて、かなり聴きやすい。結構面白い音作りになっている。ブラスト・ビートの後には、優雅でメロディアスなキーボード・サウンドが広がったりもする。そしてそして、期待していたタイトル・トラックは聴いてびっくり…音が出ない(汗)。無音の世界です。時間はちゃんと6分6秒!
中古で確認出来て良かったー。66分6秒とかじゃなくて良かったー。私、このアルバムをBGMにして出張先のよその会社の暗い部屋でお昼寝しました(汗)。夢も見ました(汗)。でも音が止んだ"666"で目が覚めました(汗)。大きな音でもそれが一定に保たれていれば、寝られるんですね。(純生)
DIVA / HEAVENWOOD
'96年リリースのポルトガルのゴシック。もろに『DRACONIAN TIMES』でのPARADISE
LOST路線。ま、あそこまで整合性があって、わかりやすくはない。まだ妖しい展開が残っていたりもする。女性Voや変な楽器の導入というオプションはなし。正統派ゴシックをやっておられる(何が正統派ゴシックなのか?
そもそもゴシックが正統派になりえるのか?という不毛な議論の余地はあるが)。"Weaping
Heart"はイントロから元気溢れる曲で、『DRACONIAN TIMES』の"Last
Time"のような曲。だらーとだけじゃなく、こういうHMらしい曲があるのも、アルバム全体の構成上、とてもプラスに作用している。1曲目"Frozen
Images"はまるで"Embers Fire"のような重々しさと力強さがある。とまあ、P.LOSTとやっていることは同じなので、全然個性的ではなく、ときめくような新鮮味もない。でもP.LOSTフォロワーとしてはかなり上級レベルのゴシックです。楽曲がいいです。気に入りました。(純生)
UNCOUNTED STARS UNFOUNDED DREAMLANDS
/ NIGHTSKY BEQUEST
'95年リリースのブルガリアのゴシック・メタル。5曲入りミニだが、前後2曲はSEみたいなもの。暗く枯れ死んだような森林の中の沼地に男性の顔が出ている…という購入意欲をなくすようなジャケットのイラストですが、中身は当たりでした。ゆっくりとした美しいメロディの上を女性Voがたまに歌う。この女性Voは声がとても綺麗とかじゃないのだけど、素朴な歌声が好感もてる。ルックスも良さそうに写っている。(純生)
ΕΣΟΠΤΡΟΝ / SEPTIC FLESH
ギリシャ出身のゴシック・メタル、'96年リリースの2nd。ディープなデス声、激烈なパートではとことんに激烈。展開はとっぴょうしもないぐらいに無理をする。でも暗くも美しい部分がある。というのは1stの延長線上なのですが、このアルバムでのギターのメロディ、音色の美しさといったら極上です!
ANATHEMAの『ETENITY』に近い雰囲気ながら、心にくるものはそれを遙かに上回る。ずばりCAMELの『HARBOUR
OF TEARS』聴けたギターの音色に近い! けど、あそこまで繊細さはない。もっと線は太い。そして熱い!
特にラストの曲"Narcissism"のギターの音色の美しさには何度でも感動させられる。しかしギターの音色だけではない、所々に導入されている、様々な地域のトラッド的なメロディも大事な核となっている。素晴らしいゴシック・メタルです! …ちなみにタイトルはギリシャ文字です。文字化けしていたらごめんなさい。(純生)
ODIUM / MORGOTH
ドイツのバンド。PANTERAを連想させもする硬いギターの音やENTOMBEDぽい歪んだ怒声、なんて書くととてつもなくコアなバンドと思われそうだけど同時に耽美的なムードもほのかに漂う。近年のアメリカ産アクストリーム・メタルにメロディック・デスの要素をいくらかまぶしたような音。展開が妙に回りくどい曲もあったりして、アルバム通して聴くと満足とは言えないけど、このアルバムを買う動機になった"Submission"はやはり出色の曲で入手できて嬉しい。(ナンシー関野)