JHVA FLOHIM METH ...THE REVIVAL / KATATONIA
ゴシック・メタル・バンドの'92年リリースの5曲入りシングル。BEWITCHEDのBlackheimの別プロジェクト。多才な人です。あっサウンドはゴシックだけど、白塗りメイクしているので、これもブラックか。地を這うような遅いリフに、悲壮感漂うデス声。暗く美しいメロディも映えます。私はもろに好みです。プロデュースはDan
Swano。(純生)
IRRELIGIOUS / MOONSPELL
ポルトガル出身のゴシック・メタル・バンド(精神的にはブラックかも)の2nd。前作『WOLFHEART』の延長線上ですが、それでも比べるとまた一段とまとまりが出てきて安心して聴ける良質のゴシックになったようです。が、確かにその反面最初のミニで聴けた妖しさは無くなってしまって、ちょっと寂しいかも。前作を聴いた時のような衝撃がないのも確かです。ずばぬけた曲もないかも。
のりのりの"Raven Clows"は一番印象に残る曲ですが、大胆にSISTERS
OF MERCYのメロディを拝借しているように感じられるので、ちょっとマイナス。力強く押しまくる曲調の"For
A Taste Of Etenity"がなかなか好きです。吠えるVoに、ドラミングが面白いです。(純生)
NEON LIGHTS / MY GARDEN
なんと、トルコの首都イスタンブールにゴシック・メタルが存在しました!
女性Vo(Key兼任)を含む6人組です。男メンバー5人のうち、4人の髪の毛が短いです。徴兵制とかが存在するのかもしれないけど、土地柄熱いので、長髪になんかしていられないのでしょうか。またジャケットやブックレットの写真も砂漠の遺跡とかで、トルコらしさを強調しています。でもリリースは、ゴシックの本場ノルウェーのレーベルからです。
男性Voがデス声と普通声を切り替えていて、そこに美しい歌声の女性Voが絡んでくるという、ありがちなパターンです。サウンドはスピード遅いです。たまに軽快なテンポになります。そんな重さは感じません。ギターはノイジーな音は出さずに、適度にメロディアスなフレーズを奏でています。PARADIGMAをもう少し明るくしたような感じかなあ…。
メタル不毛の地(と言い切っていいのでしょうか? 実は盛んだったりして;)にしてはクオリティが高いです。充分に及第点です。でも普通過ぎます。トルコのバンドらしさを見せてほしかった。あるのかしらないけど、トルコの民族音楽のフレーズでも用いてしまうとか。4曲入りのミニ・アルバムです。(純生)
SAHARA / ORPHANED LAND
イスラエル出身のゴシック・メタル・バンド、'94年リリースの1st。そういわれるとジャケットは宗教的な模様で埋まっている。もう、これだけでも充分に妖しくて合格なのですが、オープニングのイントロ曲がまさに民族音楽的な宗教曲なので、ますます浮かれてしまう。妖しい鐘の音のような弦楽器のようなのも使われている。TARBUKA,
KANNUNってどんな楽器なのでしょう。
そして本編も一風変わったゴシック。うまく自分たちの土壌の音楽をゴシックに取り入れているのだと思う。Voは語り口調でもあり、吠えたりもしてる。アルバムは大きく2つに分かれるコンセプト・アルバムのようでもあり、中盤にはまた、まったりとしたと民族音楽が;
女性Voが入ってくる曲あり、オプションも充実しています。というわけで、素晴らしいの一言に尽きるゴシック。大衆受けはしないだろうけど; (純生)
WORLDS AND WORLDS / OXIPLEGATZ
元AT THE GATESのギタリスト、Alfのプロジェクトの2nd。1st『FAIRYTALE』は自主制作のようで、ひっそりとリリースされていただけで、情報は皆無でした。しかし一部のマニアの間では名盤とされたいたのです。だから、この2ndのリリースには驚きました。1st同様に、3人のVoがいるのが一番の特徴です。吐き捨て型のデス声Vo、オペラチックな男性Vo、そしてやさしい歌声の女性Vo。基本的な楽曲は、Alf在籍時代のAT
THE GATESのように、スラッシーでかなり怒濤のコアです。しかし、曲がブレークして、ヴァイオリンやホーンセクション主体のオーケストラレーションの演奏に代わり、女性Voや男性Voで歌い上げられるのです。この激しさと美しさの対比が素晴らしいのです。
悲壮感・危機感漂うコアな曲調なのに、後半には「王様の入場!」のような楽しい行進曲になっている"Graveyard
Dream"。ギターのエッヂが鋭い"Usurpers"でさえも、中間部には爽やかなハードロック的になって、軽快な歌声の女性Voが入ってくる。
1stでは実験的要素も多くて、いろいろなタイプの楽曲(中にはヴァイオリン+女性Voだけからなる曲とか)があったのだが、今回はある一つのスタイルで統一されているように思う。その分、メリハリのなさが気になるが、サウンド・プロダクションも向上し、完成度は高い。強力なオリジナリティもある。もっと注目されてしかるべきアルバムと思います。(純生)