ZOON / THE NEPFILIM
SISTERS OF MERCYの影響下にあったらしいゴシック・バンドFIELDS OF THE NEPHILIMのVoが結成したバンドの、'96年リリースの1st。ちなみに、ここでゴシックというのは、ゴシック・メタルとは違う意味ですので、念のため。FIELDS
OF THE NEPHILIMは聴いていないのでそのサウンドを知らないのですが、ここでやっていることとは異なるらしい。ライナーによると、FIELDS
OF THE NEPHILIMの後期にはVoはエクストリーム・ミュージックが好きだったとかで、デス・メタル・バンドMORGOTHとも親しくしていたとか。イントロ的な"Still
Life"に続く"Xodus"のゴシックとは思えない、インダストリアルっぽい凄まじい攻撃的なリズム、そしてデス声の咆吼を聴くと、エクストリームに影響を受けているのがとても分かります。静かな曲になると、暗くどんよりした雰囲気や、ギターのメロディの出し方からして、ゴシックっぽさを感じます。SISTERS
OF MERCYとかに比べると、サウンドに深みがあるかな。底に落ちていってしまいそうなぐらいです。ゴシックな曲と、メタルっぽい曲は半々ぐらい。メタルじゃないけど、メタルの人も楽しめるんじゃないかな。(純生)
CRYSTAL TEARS / ON THORNS I LAY
HOLY所属、ギリシャ出身のゴシック・メタル・バンド'99年リリースの3rd。1stでは男性Voだけのゴシック、2ndでは女性Voを加えてGとKeyで独特な深い音世界を形成していたのですが、3rdではまた変化をしてしまった。メンバーもGとB以外は交替していて、Key奏者とヴィオラ奏者のDoroftei姉妹の参加によりヴィジュアル面は超パワー・アップ(笑)。派手さはなくとも際立つ、正統派な美人姉妹です。黒髪で、黒い衣装がとってもお似合いです(はあと)。音は余り厚くなく、ちょっと軽いかなという感じの聴きやすいTHEATRE
OF TRAGEDYタイプのゴシック・メタルになってしまった。そこにヴィオラ(音色的にはヴァイオリンと同じ?)が絡んでくる。2ndではディープなデス声だった男性Voは普通声で語るように歌っている。ソプラノ声の女性Voは2ndとは違う人でクレジットはゲスト扱いですが、この可愛い声こそがバンドの個性の一つでしょう。なので私の扱いはメイン級。もっとも、楽曲も上級ですけど。って、2ndの個性的ゴシックがとても好きだったので、この変化はちょっとがっかりしています。でも、これはこれで素晴らしくて、はまっているのですけど。"My
Angel"は「ナ〜ナナナ〜…」と控え目感じの可愛いハーモニーはステキだ。"Obscssion"は男性Voメインの曲ですが、流麗なヴィオラの音色、そして切り込んでくる女性Voがいい。"Ophelia"はざくざくしたギターのリフに絡んでくるヴィオラが印象的。高らかに「ナ〜ナナナ〜…」というハーモニーが炸裂する"Enigma"は他の曲よりもアクティヴで名曲扱いです。ライヴのエンディングに盛り上がりそうな曲ですね。"Feelings"は情熱的なピアノがたまらなくいい。そこに切ない感じの女性Voがのってくるのですから、言うことなしです。というわけでTHEATRE
OF TRAGEDYタイプが好きな人は絶対に買いでしょう! ほんとこの手のは多いけども、でも何よりも買い!
ジャケットは裸婦をデザインに組み込んだので、ジャケ買いも可。(純生)
ALL ALONE / THE SINS OF THY BELOVED
ノルウェーの女性Voを擁するゴシック・メタル・バンドのデビュー・ミニ・アルバム。1stフルがリリースされたNAPALMとは違い、NOCTUNAL
MUSICというところからのリリース。3曲だけなのが物足りないが、この時点でなかなかな女性Vo入りのゴシック・メタルをやっていることがわかる。女性Voはまだ素人っぽい部分もあるのだけども、逆にか弱くっていいかもしれない。"All
Alone..."と"Worthy Of You"が1stフルにも収録されている曲ですが、録音は違います。1stフルでは活躍するヴァイオリンはなし。サウンド・プロダクションの荒さも1stに比べたら気になるが、マニアは買いでしょう。(純生)
EXU-VI / STILLE VOLK
HOLYレーベル所属のフランス出身の4人組の暗黒変態トラッド・バンドの'99年リリースの2nd。1stでは、メタルっぽさがほとんどないちょっとさえないトラッドやっていました(未レポート)。ところがP.LOSTトリビュートでは、1stではなかったエレキ・ギターなども加えての、でもトラッドばりばりのかっこいいカヴァーを披露してくれました。そう1stは私はいまいちです。なんか、つかみ所ない変なトラッドで。いや、でもHOLYだからいいのだ。これでいいのだという心境でした。さて、2nd。オープニングの"Zoopathia"などに顕著なのですが、メロディに哀愁が出てきました。繊細な感じで、なんかぐっときちゃいます。でもなにげに8分もの曲だったりして。長さを感じさせないのは、変な展開があるからなのですけど。バグパイプ系の楽器が炸裂する"Selena
Koronna"もいいです。整合性が出てきたのか?とか安心して後半に突入すると、エレキ・ギターが入ってきて、おっ!とか思っちゃう。けど、それはぐにゃぐにゃのプログレみたいな楽曲なのです;
展開がどんどん替わるし、変な音色が突然飛び込んでくるし。なので後半はちょっと辛いかなあ。でも、1stより全然好きです。それにHOLYだし。だからいいのです。これでいいのだ。(純生)
A CALL TO IRONS - A TRIBUTE TO IRON MAIDEN / V.A.
'98年にDWELLレーベルからリリースされた暗黒系バンド主体のIRON MAIDENトリビュートです。ちなみに、'99年に『Vol.2』がリリースされています。MAIDENフォロワーのSTEEL
PROPHETの"Ides Of March / Purgatory"はオープニングに相応しいですね。否が応でも気分が高まってしまいます。出来は完コピですけど@
ANCIENT WISDOMの"Powerslave"は既に他で聴いているけども、改めて凄くいいカヴァーだなと実感しました。Keyがとてもいい。華麗かつ恐怖な雰囲気を演出しています。理想的な暗黒系ですね。SOLITUDE
AETURNUSの"Hallowed Be Thy Name"は終始安定したVo、沈んでいってしまいそうなドゥームな空気がいいです。ディープなゴシック・メタル・バンドOPETHの"Remember
Tomorrow"は普通声で歌っているのでがっかり。バンド本来の暗さと重さも全然ない。単にコピーしただけですね。こういうやる気のないのはだめだめです。MORGIONの"Tame
A Land"はずるずるなデス・メタル・アレンジで、結構オリジナルを壊していていい感じなのだと思うのですが、オリジナルを知りません(笑)。OPERA
IXの"Rime Of The Ancient Mariner"は途中"Number Of The Beast"になる13分もの大作。ブレーク部分の、よどんだ空気がなんともいいです。それとこのバンド、歌っているので女性Voなのですが、デス声なのです。でも普通声でも歌っている。デス声と普通声の適当な切り替えがとてもいいです。しかも普通声も清純そうなのが魅力的だったりします。このバンドはオリジナルも聴かねばー。こんな芸当をやってのける、おねいさんのルックスも確認せねばー。(純生)