ビューリズ・カフェ原宿店

 アイリッシュ・パブがI.S.E.でブームになっていて??アイルランド好きの私にとっては嬉しい限り。といっても、国内のはほとんど行ったことがないのだけれど。でも執筆には参加したいので、とりあえず書いてみます。で、これまた内容も古くて、表題のビューリーズに行ったのも、実は昨年の今頃なんです。原宿のこの辺にあるよ、という話をきいてとりあえずラフォーレの角に立ったらすぐ見えました; 簡単だこと。当時2歳児の我が息子も連れてだったので、健全に昼間です。ギネスは飲んだけど。やはりパブという雰囲気ではなくて、「カフェ」ですね。あまりアイリッシュ臭い感じはしなかったような気がする。帰りに、ビューリーズに置いてあった守安功という方が書いた「アイルランド人・酒・音」という本を買った。そして、ご本人が時々ここで演奏なさるというので、4月のその演奏がある日に再び訪れてみた。

 お店はちょうどいっぱいなるところで、「演奏が見えるお席が良いですか?」と訊かれてイエスと云ったためにしばらく待つ羽目となった。この待ち席がちょうど演奏家が集まる席のすぐそばで、かえって良かったかも。さて、前述の本の写真で見た作者の奥様のお姿が見える。

 さて、主人公が席に着き、ほどなく演奏が始まった。古い民謡ということで、知らないものばかりですが、アイリッシュ・サウンドが心に響きます。守安氏は木製のフルート。奥様は、バゥロンやら、コンサーティーナ(ボタン・アコーディオンの小型版みたいなもの)、ハープなど、曲によって実に幅広く演奏なさっている。メンバーの中のひときわ声の高いちょっと派手目の女性もミュージシャンで、数曲笛で参加していた。しかし、数曲目が始まってしばらくするや、そこにいた残りのメンバー全員が一斉にティン・ホイッスルを取り出して、ピーピーやりだしたではないか。目が点。全員同じでなくてもいいじゃないか! 一人くらいフィドルでもうなって欲しいもんだ。となにも楽器が出来ないくせに威張る私であった。危なげなく弾いてはいるけど、こうやって改めて聴いてみると、MAMAS BOYSのジョンってティン・ホイッスルうまいな〜(当たり前か)。演奏家達の様子は、わいわい集まってセッション、というよりは、どちらかというと守安氏のサロン的要素が強い。中で一番ポイントが高かったのは、控えめながら色々な楽器を自在に操っていた奥様じゃないかしら?

 そのうち、席が空いたので演奏席から少し離れたところでギネスを飲みだした。アイリッシュ・シチューやら、その他料理を注文したが、何しろ本国と同じ値段でも盛りは1/3、味も違うのでちょっとがっくり。辺りを見渡すと、演奏目当ての客が2/3、飛び込みの客が1/3ってところかな? 主観的意見だけど。客層は外国人・帰国子女・純?日本人の割合がちょうど私が行っていた大学くらいで、なんだか自分の学校のカフェかなんかにいるようであった。そしてたくさん耳に入ってくるざわめきは当然日本語のそれであって、音楽は多少アイリッシュ臭くてもここは紛れもなく日本であった。私のようにアイリッシュのお店にアイルランドの思い出を見つけようとする人はダブリナーズ新宿店に土曜日の夜8時以降にでも行ってみた方がよいようである。単に、外人だらけで、ガヤガヤとうるさいからだというのが理由ですが。うるさいといえば、どうして英語圏の方々はみんな腹式呼吸でしゃべるのかしら? (Lica Mercury)